ニギハヤヒ 史上最大の祟り神の正体

ニギハヤヒ

ニギハヤヒ(饒速日命)は古事記・日本書紀に登場し、畿内を支配した偉大なる神です。

そんなニギハヤヒですが、神武天皇の東征(畿内侵攻)の最後にちょっとだけ登場。

さらにすぐ死んでしまう、よく分からない神でもあります。

今回、そんな謎多き神の真実に追ってみたいと思います。

神武天皇の東征

まず正史のおさらいを簡単にしていきます。

神武天皇は荒れた日本を統一し、正しい国を作ろうと奈良へ侵攻しました。

でも、その時すでに強力な軍事力を持った『ニギハヤヒ』が奈良を支配していました。

天照大神の子孫である神武天皇であっても、強力なニギハヤヒ軍に勝てない。

追い詰められる神武天皇。

正統な後継者

窮地に陥った神武天皇は叫びます。

『私は天照大神の子孫だ。どうして邪魔をするのだ!』

するとニギハヤヒ軍はポカンとします。

『はぁ?バッカじゃないの?』

『ウチのニギハヤヒさまこそが、天照大神の正統な後継者なんですけど~www』

ダメ

そう。奈良を支配していた大王ニギハヤヒは天照大神の子孫だったのです。

しかも、直系中の直系。正統な後継者。

それに引き換え、神武天皇は天照大神の子孫であっても分家の分家。格下中の格下。

神武天皇はこの事実に衝撃を受けます。

神武天皇、橿原にて即位

神武即位

そんな時、ニギハヤヒが現れます。

『おぉ!我と同じ先祖を持つ神とは君か!』

『そうか、そうか。よく奈良まで来た。』

『せっかく来たのだから、我が國をぜ~んぶ君にあげよう!』

そういってニギハヤヒは神武に全てを譲り、速攻で死にました。

すべてをゲットした神武は橿原にて即位し、その血脈は現在まで続いています。

めでたし、めでたし。

意味が分からない

あなたの家に突然、遠い昔に同じ先祖を持つ人間が訪れたとします。

当然、無下に扱うことはしないでしょうが、家の財産は自分の子供に譲ります。

先祖が同じであっても、いきなり現れた人に家の財産を全部あげることはありません。

でも、ニギハヤヒは突然現れた神武にすべてを譲りました。

はっきり言って意味が分かりません。

答えはある

意味が分からない最大の理由は、あまりにも文章が少なすぎるから…です。

でも、それは古事記・日本書紀だけの話。

数多くの文献を研究すれば『古代史の謎』が見えてくるのです。

ここからは当サイトが考える『ニギハヤヒ』の真実を語っていきます。

徐福伝説と、交わした約束

徐福の出航

徐市(ジョフツ)は不老不死の薬を渇望する秦の始皇帝を欺し、3000人の若い男女、多くの技術者、さらには財宝と財産、五穀の種を持って出航しました。

曰以令名男子若振女與百工之事即得之矣 秦皇帝大説遣振男女三千人 資之五穀種種百工而行(史記:淮南衡山列伝)

徐フツは中国山東省から韓國に到着。

しかしながら、あまりにイヤな思いをした為『この土地に私は居たくない』

此不可以吾私用也
(日本書紀:第八段第四・一書)

そう言い、五穀の種を韓國に与えず、息子のイソタケル(五十猛)と共に去ります。

五十猛神 天降之時 多將樹種而下 然不殖韓地 盡以持歸
(日本書紀:第八段第四・一書)

※徐市=徐福ともいう。

日本に降臨

その後は済州島(チェジュトウ)を経由し、島根半島に上陸します。

当時はまだ弥生時代。

原始的な生活をしていた日本人は、最先端の科学を持った徐フツらに驚きます。

信仰

未開の民族にiPhoneを見せるようなもの。

人々は神として受け入れ、徐フツは平和的に島根半島を平定していきます。

そして船を使い、山口、広島、岡山を平定。さらに淡路島を経由して畿内に到着。

ここで徐フツは息子に家督を譲ります。

イソタケルとの契約

家督を継承したイソタケルは畿内も平定し、その領土は西日本の大半を占めていました。

その後『ある契約』のもとで、イソタケルは神武を婿養子として迎えれました。

一時的な混乱は起きたものの、王位を継承。

そして、神武天皇から9代開化天皇までは『イソタケルの契約』を遵守していきます。

契約破棄

しかし、10代崇神天皇は契約を裏切ります。

契約はもう昔の話。

崇神は問題ないと思ったのかも知れません。

ですが、イソタケルは崇神天皇に怒り狂い、祟ります。

しかも『史上最大レベルの祟り』で崇神天皇に襲いかかります。

史上最大の祟り神

ある日、奈良の上空に爆音が響き渡ります。

人々は何事かと空を見上る。

隕石

そこには、高速で降り注ぐ火の玉(隕石)がありました。

高速で降ってきた火の玉は熊野の海に落下。

火玉(隕石)がもたらす莫大なエネルギーは、巨大な津波と、巨大な地震を引き越します。

甚大な被害をもたらし、衛生環境も悪化。

損害は計り知れない!

国内多疾疫 民有死亡者 且大半矣
百姓流離 或有背叛 其勢難以德治之
(日本書紀:崇神天皇)

崇神天皇は直感します。

イソタケルの祟りだと!

そう!崇神天皇は神に祟られたのです。

神に祟られた天皇。

だから、崇神天皇なのです。

壊滅状態となった惨状とともに、巨大な岩が見つかります。

花窟神社

花窟神社

もちろん大昔からあった巨石なのですが、人々はイソタケルの岩だと信じ祭ります。

※和歌山には社殿を作らずに、巨石そのものを祭る神社が多数存在する。

熊野速玉大社

熊野速玉神社

さらに大津波で壊滅した熊野に、速い火玉を鎮めるために熊野速玉大社を創建。

しかし、イソタケル神の祟りは収まらない。地震は続きます。

そこで崇神天皇は『イソタケルが眠る山』に壮大な神社を創建し、神を鎮魂します。

イソタケルの聖域

石上神宮

神社の名前はイソタケルの神を祭ることより『イソノカミ神宮

主祭神の名前は火の玉を降らせたことからも『フル・ミタマ』

さらにイソタケルが眠る禁断の神山の名前も『フル・ヤマ』

秘された神

イソタケルの契約を裏切ったところで祟りは起きません。

しかしながら、裏切りによる後ろめたさから人は逃れられません。

でも、歴史からは消し去りたいのが人の心。

石段と楼門

そこで、イソノカミ神宮に『石上神宮』という偽りの字を与え、真実を隠しました。

また、古事記・日本書紀では新たな名前だけ与え、すぐに死んだことにしました。

これが、あまりにも文章が少なすぎる神。

神武に国を譲り、死んだことにされた神。

禁足地

イソタケルの新たな名前。

饒ぎ饒ぎしい偉大なる速い日の神。

饒速日命(ニギハヤヒ)とは、日本初の大王イソタケルのことなのです。

ニギハヤヒのさらなる詳細

ニギハヤヒ

ニギハヤヒのさらなる詳細を知りたい場合、下記の記事をご覧下さい。

石上神宮

石上神宮

〒632-0014 奈良県天理市布留町384

布留御魂大神(フルミタマ)(イソタケル)
布都御魂大神(フツミタマ)(ジョフツ)

アクセス

①JR、もしくは近鉄の天理駅から徒歩30分。

②天理駅からレンタサイクル

コミュニティバス「いちょう号」で石上神宮前から徒歩10分。

④タクシー(10分ほど)約1300円