倭文神社 織り姫となった下照姫命

倭文神社

倭文神社(しどりじんじゃ)は鳥取県東伯郡に鎮座するご聖域です。

社格は伯耆國一ノ宮、名神大社、国幣小社とハイレベルです!

さらに境内の奥には、国の史跡に指定される塚があり、そこにはご祭神のお墓が…?

そんな素敵な倭文神社を今回も写真と共に、見どころや、歴史話などをお送り致します♪

倭文神社の見どころ

入り口

倭文神社までは山陰本線・松崎駅のバス停→藤津入口停留所で下車。徒歩20分ほど。

アクセス悪い~

御冠山

ただ御冠山の上にあるので、景色は最高~!

眼下に広がるのは旧羽合町(はわい

海と、温泉と、美味しい梨が出迎えてくれる日本のハワイです!

アロハ~

鳥居

鳥居

鳥居が見えてきました。

創建は不明ですが、大國主の娘・下照姫命が現地に移住したとされていることから…

天照大神の岩戸隠れ(西暦3世紀頃)よりも前だと思われます。

随神門

随神門

鳥居の先に、たくさんの彫刻が施されている随神門が見えてきました。

銅板葺き、切妻平入り、二重虹梁の八脚門。

獏(バク)

軒下は阿吽の龍、柱にはかっこいい獅子と、鼻の長い獏(バク)がいます。

手水舎

手水舎

随神門の先には、手水舎があります。

手水舎2

ちょっと温泉っぽく見えるのは…

日本のハワイだから?(笑)

拝殿

倭文神社・拝殿

倭文神社の拝殿が見えてきました。

鎮守の杜に囲まれ、質素ながら威厳がある。

これぞ名神大社!

拝殿内部

参拝時は令和が始まった週。

ご即位を奉祝していますね。

本殿

本殿・左側

拝殿背後にあるのが、ご本殿。

倭文神社では…

建葉槌命(たけはずちのみこと)

をご祭神としてお祭しています。

岩土に隠れた『天照大神』を誘い出す為に、織物を織った神さまですね。

この功績から『織物の神、機織の神』として全国で信仰されています。

倭文神社の経塚

本殿・右側

倭文神社では、織物の神・建葉槌命と共に、下照姫命(したてるひめ)をお祭してます。

そして、倭文神社は下照姫命の資料がとても多いために…

倭文神社 = 下照姫命

と長らく考えられていました。

でも、なんで本来のご祭神の建葉槌命より、下照姫命の資料が多くなったのでしょう?

出雲の国譲り

出雲大社

昔、日本を支配していたのは大國主命です。

縁結びで有名な出雲大社のご祭神です。

天照大神

ところが、天照大神は…

『オオクニヌシが王なんてイヤ~!』
『日本の王は私の子供なのよぉ~!』

とワガママを宣います。

そこで、国土を譲らせるために、天照大神は部下を出雲に降臨させます。

降臨したのは天稚彦(アメノワカヒコ)

早速、国譲りを迫るため、大國主命の宮殿に向かおうとしたところ…

川遊び

途中で、めっちゃタイプの女性と遭遇!

『やべ~可愛い娘ちゃんと会っちゃった!』

『やべ~結婚しちゃお~♪』

恋愛

女性も女性で…

『あら~いい男☆』

『結婚しちゃお~♪』

と、娘もノリノリ。

しかし、この可愛い娘ちゃん…

オオクニヌシ

なんと、父親は敵対する大ボス・大國主命。さらに、母親は宗像三女の田心姫(沖津宮)

名前は下照姫命(したてるひめ)

『彼女と結婚すれば出雲王朝の王となれる』

と、天稚彦は天照大神を裏切ります。

喧嘩

すると、天照大神は…

『何やってんの、あの子わぁぁ!』
『こうなったら実力行使よぉ~!』

と、大激怒!

下照姫命にハートを打ち抜かれた天稚彦は、天からの弓矢に体を打ち抜かれ即死します。

湯梨浜町(旧羽合町)

降臨

夫の死後、下照姫命は織物の神・建葉槌命を信仰する鳥取県旧羽合町を与えられ、移住。

下照姫命はこの地で農業開発、医薬の普及、安産の指導に尽くします。

そして、死後。旧羽合町の住人は倭文神社に地主神・建葉槌と共に下照姫命を祭ります。

安産岩

下照姫命が神として祭られた後…

ある婦人が難産に苦しみ、あまりの苦しさに倭文神社の前で安産祈願をしました。

『するんと出産しますように!』

そして…帰宅の途中…

安産岩

参道にある大きな岩の前でいきなり産気づき『するん』と出産!

あれだけ難産で苦しんだのがウソのように、『するん』と元気な子が生まれたのです!

その為、この岩は『安産岩』と呼ばれ始め、安産祈願として有名な神社となりました。

経塚

その後、織物産業が衰退していき、織物神・建葉槌命の存在は忘れられていきます。

その結果、安産信仰だけが残り、下照姫命に関する資料ばかりが増えていったのです。

経塚

そして、大正4年。

境内の裏には塚が発見され、一部ではここは下照姫命の墓陵だと考えられていました。

そして、学術調査を開始したところ…

銅経筒
金銅観音菩薩立像
銅鏡、銅銭、るり玉

などが出土しました。

結局は、墓陵ではなかったものの、出土品の素晴らしさに全て国宝に指定されました。

織り姫と彦星

織り姫と彦星

下照姫命は、ご祭神である建葉槌命とともに倭文神社に祭られる織物の女神です。

せっかく夫と結ばれたのに、天照大神により夫と別れさせられた悲劇の女神です。

つまり、織物に縁が深く恋人と会えない

ここに、中国から七夕伝説が輸入されて…

下照姫命 = 織り姫
天稚彦  = 彦星

決して結ばれない2人の悲しき恋物語としてアレンジされていきました。

ちなみに、下照姫命とは…

織物を『仕立てる姫』 = 下照姫命

なのかも知れません。

倭文神社のまとめ

倭文神社・拝殿

鳥取県西部、伯耆國一ノ宮。日本のハワイにあるパワースポット!

大國主命と宗像三女(田心姫)の娘である、下照姫命の伝承が多くあるご聖域。

さらに、織り姫と彦星のモデルとなった地。

本殿

それが倭文神社です。

ご参拝の後は、暖かい温泉と、美味しい梨がありますので是非ご参拝を~♪

倭文神社の写真ギャラリー

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倭文神社へのアクセス

倭文神社

鳥取県東伯郡湯梨浜町宮内754

山陰本線・松崎駅バス停→藤津入口停留所。徒歩20分ほど。