吉備津彦神社 実在した鬼の正体

吉備津彦神社

吉備津彦神社(きびつひこ・じんじゃ)は、岡山県岡山市に鎮座する神社です。

社格は備前國一ノ宮、旧国幣小社。

ご祭神は、あの『桃太郎』のモデルとなった吉備津彦命!実在していたんですね~

さらに『桃太郎の』すらもお祭りしているスゴい神社です♪

今回も写真と共に、吉備津彦神社の歴社や、見どころなどをお送り致します♪

吉備津彦神社の見どころ

鯉のぼり

吉備津彦神社までは、岡山駅から桃太郎線に乗り換えて、備前一宮駅で下車。徒歩3分。

参拝時は5月。

鯉のぼりが青空を元気に泳いでいます。

鳥居

石の鳥居が見えてきました。

朝日の宮(環状列石)

朝日の宮

鳥居の先には、鶴島・亀島が浮かぶ神池と、岡山最大の神奈備・中山が見えてきます。

そして、この神社は、夏至の日に太陽の光が真っ直ぐに射すパワースポット!

そのために『朝日の宮』と呼ばれています。

また、夏至の日に太陽の光が射すこの地は、縄文時代から重要な聖地でした。

環状列石

祭儀場である『環状列石』もあります。

随神門

随神門

朝日の宮の先にあるのが随神門。

1697年に池田綱政公が造営したもので、中に二柱の『門番の神様』がいらっしゃいます。

ちなみに、池田綱政とは備前岡山藩の藩主を勤められた方です。

拝殿

拝殿

随神門の先に石階段があり、その先に拝殿があります。

青空とのコラボが綺麗~!そして、大きい!

社殿

吉備津彦神社は、非常に珍しい社殿型式で…

拝殿  お手々ポンポンするところ
祭文殿 祭典や祈祷を斎行する場所
渡殿  大祭典でお供えをする場所
本殿  ご祭神が鎮座する場所

の4連構造となっています。

本殿

吉備津彦神社

めっちゃデカいご本殿!

写真だと小さく見えますが、手前の石灯籠と比べてみてください。

2m近くもある石灯籠すら小さく見えます!社殿手前の巨木も小木に見えてしまいます!

2階建ての民家を軽く超える高さです。横もデカい!とにかくデカい!超感動ものです☆

本殿

ご祭神として…

大吉備津彦命(桃太郎)

をお祭りしております。

大吉備津彦は、第7代・孝霊天皇の皇子で、お姉さんは倭迹迹日百襲姫命

読み方は『やまと・ととひ・ももそひめ』…早口言葉みたい(笑)

天照大神

この倭迹迹日百襲姫は、天照大神のモデルとなったヒミコかも!?と言われています。

姉 ヒミコ
弟 桃太郎

※倭迹迹日百襲姫の陵墓は奈良の箸墓古墳。

吉備津彦神社の摂社・末社

境内図

吉備津彦神社は、備前國一宮、旧国幣小社とハイレベルな神社です。

なので、摂社・末社も沢山あります。

温羅神社

温羅神社

温羅神社(うらじんじゃ)は、あの桃太郎と戦った『』をお祭する神社です。

場所は、ご本殿の『南側』にあります。

祭神名は…

温羅の和魂(うらのにぎたま)

和魂とは『温和な親しむべき神霊』。

桃太郎に退治されたのだから、怨霊のほうがしっくりくる気がするのですが…

その理由は…この後で述べます♪

稲荷神社

稲荷神社

温羅神社の左側にあるのが稲荷神社。稲荷と言えば、赤い鳥居とお狐さまですよね!

ご祭神は、倉稲魂命(うがのみたま)

五穀豊穣、商売繁盛、諸業繁栄の神であり、岡山でも古くからお祭されています。

三つの末社

三つの末社

三つの末社が並んでいます。

写真手前から…

十柱神社 十柱の神さま
牛馬神社 保食神
祖霊社  当神社社家の祖霊

以上が、ご本殿の南側にある摂社末社です。

子安神社

子安神社・拝殿

今度はご本殿の『北側』にある子安神社。

縁結び、子授け、安産、育児などの神様で、全国から熱心なお参りがあります。

子安神社

備前・池田家も子授けの恩恵を受けた一族。実は備前藩も子宝に恵まれませんでした。

そこで悩んだ末に、この子安神社に参拝したところ、たちまちお跡継ぎが誕生。

姫路城

この跡継ぎこそ、播磨姫路藩と因幡鳥取藩をを歴任した名君・池田光政です。

ちなみに、子安神社の脇に自生するワラビを夫婦で食べると懐妊する伝承もあります。

七つの末社

七つの末社

子安神社の横には七つの末社があります。

お祭しているのは…

倭比賣命、天照大神、猿田彦命、
楽々森彦命荒魂、吉備津彦命御矢
句句廼馳神、祓戸神

皇族と、鬼退治関連の神さまですね。

元宮・磐座道

元宮・磐座道

吉備津彦神社が鎮座するのは岡山を代表する聖地・中山。

七つの末社の奥に、中山の登山道があって、その先にご神体の『磐座』があります。

が…

時間の都合で断念…いつかは登りたい♪

桃太郎と鬼の真実

疑問

吉備津彦神社は、童話桃太郎の舞台となった場所です。

まぁ、桃から生まれた男の子がいた訳でも、鬼が実在した訳でもありません。

でも、桃太郎のモチーフとなった事実があるのです!

史実の桃太郎

桃太郎

童話・桃太郎のお話は…もう、言わなくても分かりますよね?

悪い鬼を桃太郎が倒したお話です。

で、そのモチーフとなったのが…

鬼

むか~し、むかし。岡山では立派な政治家が国を治めていました。

ところが、温羅(うら)と言う悪い外国人が海の向こうから突然やって来ました。

そして、温羅は立派な政治家を追い出して、岡山を我がものにしてしまいました。

そこで、岡山の政治家たちは、奈良にあった大和朝廷に助けを求めます。

武士

温羅の悪行に大激怒した大和朝廷は、武力に秀でた皇子・吉備津彦を岡山に派遣します。

で…桃太郎よろしく、悪しき外国人・温羅をボッコボコにし、岡山を平和に導きました。

そして、この史実をモチーフに描かれたのが童話・桃太郎なのです。

ですが…!

真実の桃太郎

歴史とは勝者によって作られると言います。

桃太郎もその1つ。

悪徳政治家

まず、今も昔も、甘い汁を吸いまくる悪しき餓鬼のような政治家がいるものです。

岡山の政治家たちも例外ではありません。

しかし、ある時、海の向こうから温羅という外国人が突然やってきます。

そして、温羅は最新知識である海外の技術を岡山に広め、民衆の心を掴んでいきます。

交渉

さらに、悪行を続ける政治家達を追い出し、岡山に正しい政治を行ないます。

でも、岡山県から追い出された餓鬼のような政治家達はたまったものではありません!

もっともっと民衆から甘い汁を吸いたい~と大和朝廷に訴えます。

大和朝廷は大和朝廷で、海を挟んで隣接する岡山にヒーローが誕生しては困る。

戦争

そこで、大和朝廷は王・温羅を排除する為、吉備津彦を岡山に派遣します。

最初、温羅は岡山の民衆と共に善戦するも、相手は全国を牛耳る大和朝廷。

王・温羅は吉備津彦命に首を切られ、岡山は大和朝廷の支配下に置かれます。

新たな王は、温羅の首を切った吉備津彦。

祟り神

古墳時代、死んだ人は『死霊』となって甦ると信じられていました。

さらに、理不尽な死を遂げた人は『祟り神』となると信じられていました。

女神

ですが、殺した当人が手厚くお祭りすると『守り神』となると信じられていました。

そこで、岡山で最も人気のあった王・温羅を岡山最大の神奈備である中山に祭ります。

さらに、大和朝廷にとって都合の悪い温羅の真実を隠し、悪い鬼として世に広めました。

これが今の桃太郎なのです。

令和の桃太郎

ロシアの侵攻

平成後半、ウクライナの政治家は、自国よりロシア政府の為の政治を行なっていました。

ですが、令和元年に入って、政治経験のないコメディアンが大統領に就任します。

そして、ロシアの為のウクライナ政治から、ウクライナ国家の為の政治にチェンジ。

自国のために命をかけて闘う大統領の姿は、民衆から絶大な支持を集めます。

ウクライナ

でも、ロシア政府にとっては目障りな存在。そこで、ロシアはウクライナに侵攻を開始。

ウクライナ侵攻がこれからどうなるか誰にも分かりませんが…

温羅  = ゼレンスキー
桃太郎 = プーチン

民衆から絶大な支持を得る新たな為政者と、それを潰そうとする巨大国家。

これって、桃太郎に似てません?

鬼(温羅)のその後

ネットもメディアもない太古。温羅の真実は悪しき鬼として偽装されました。

そして、それが『当たり前』のようになってしまっています。

しかし、温羅が岡山に教えた最新の技術は、その後の岡山に多大な影響を与えます。

備前刃

それが『日本刀』です。

現存する日本刀の7割は『備前刃』であり、備前長船などの名刀をも『備前刃』!

また、日本が世界に誇る包丁すらも備前刃のノウハウが活かされています。

そして、これも温羅が岡山県に教えた技術があってこそなのです。

和魂となった温羅

桃太郎と鬼

吉備津彦神社は、童話・桃太郎のモチーフとなった場所です。

それも、政治闘争に巻き込まれた王・温羅の悲しき事実がある場所です。

しかしながら、長きに渡って吉備津彦神社は岡山に愛され続けました

また、岡山県では『温羅良い人であった』と小学校で教えています。

そのため…

手厚くお祭りされた神は『守り神』

と、言う法則により、摂社・温羅神社には、温羅の和魂が鎮座するのです。

三重構造

朝日の宮

吉備津彦神社は、夏至に太陽の光が射す聖地として縄文時代に誕生しました。

そして、吉備津彦の温羅退治以降、聖地には中山と共に温羅が合祀されます。

さらに、歴史の改竄とともに、吉備津彦命が覆い被さる形となります。

つまり、吉備津彦神社とは…

朝日の宮 縄文時代の聖地
聖地中山 王・温羅
備前一宮 吉備津彦

の三重構造なのです。

吉備津彦神社のまとめ

吉備津彦神社

いろいろと小難しいお話をしてきましたが、とにかくデカくて、超感動する社殿。

そして、沢山の摂社・末社があり、桃太郎の舞台となった場所。

それが吉備津彦神社なのです。

絵馬

さらに、王・温羅を手厚く手厚く参拝するとパワーを得られるご聖域

ちょっと遠い場所ではありますが、是非ともご参拝下さいませ~♪

吉備津彦神社の写真ギャラリー

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吉備津彦神社へのアクセス

吉備津彦神社
〒701-1211 岡山県岡山市北区一宮1043

桃太郎線・備前一宮駅から徒歩3分。