一宮浅間神社(市川三郷町)

一宮浅間神社(市川三郷町)

一宮浅間神社(いちみやあさまじんじゃ)は山梨県市川三郷町に鎮座する神社です。

富士山の麓に鎮座し、朱塗りの社殿と共に、神気が満喫出来る素晴らしいご聖域。

そんな素敵な浅間神社の見どころを、今回も写真と共にお送り致します。

そして、今回から『甲斐國名神大社の謎』を4回に分けてお送りします。

一宮浅間神社の見どころ

市川大門駅

一宮浅間神社は、JR身延線・市川大門駅。

この駅は近くにある大門碑林公園に合わせ、中華風になっており、とっても印象的。

鳥居

市川大門駅から15分ほど歩くと鳥居に到着。

朱塗りの鳥居がとっても素敵♪

当社は延喜式神名帳にある浅間神社なので、超絶パワースポットなのです!

不思議な手水舎

ホトの手水舎

鳥居の先には階段&参道があって、途中には不思議な形をした手水舎があります。

最初は何だろ?と思ったのですが、よくよく見ると、どう考えてもホト

意味は…ご自身で調べてみてください(笑)

なお、甲府盆地にある浅間神社の手水舎は、だいたいホトの形をしています。

楼門

楼門

手水舎の先にあるのが、これまた色鮮やかな朱塗りの楼門!

静岡県側の浅間大社もそうですが、富士山を御神体とする神社は朱塗りが多いです。

そして、楼門には悪霊の侵入から守護する…

豊石窓神(とよいわまどのかみ)
櫛石窓神(くしいわまどのかみ)

この二柱が鎮座されていおります。

拝殿

拝殿

楼門をくぐると、社殿が見えてきました。

鮮やかな朱塗りの素敵な拝殿。

瓦葺の入母屋造りも素晴らしいです!

境内には沢山つつじが植えており、5月には境内がピンク色になるそうです。

本殿

本殿

拝殿の後ろにあるのがご本殿。

塗装がピカピカのため、新しい神社のように見えますが、そこは名神大社!

創建924年なので1100年の歴史があります。

境内

一宮浅間神社では…

木花咲耶姫

この神様をご祭神としてお祭りしています。

高千穂に降臨されたニニギの奥さんですね。

女神

平安時代、富士山が大爆発した時、その麓の隠宮にいた木花咲邪姫は急いで逃げます。

その後、姫様を探していた人々は、麓の丘にお連れして神社を建て、お祠りをしました。

それが、名神大社である一宮浅間神社です。

生祠

境内には沢山の石碑と共に『2つの生祠』があります。

生祠

『生祠』とは、生きている人間を祀るもので『生き神さま』のことです。

1つは、私財を投じて村を治め、災害時でも全村の復興に務めた依田重左衛門安清。

もう1つは代官でありながらも、災害時には御用金を流用し村を救った荒井清兵衛顕道。

どちらも素晴らしいお方です。

地蔵像

また、座布団の上でこの市川を守られている地蔵像もいらっしゃいます。

一宮浅間神社は名神大社なのか!?

火災

846年(貞観6年)富士山が最大級の大噴火を起こします。

膨大な溶岩流は北西山麓を広く覆い尽くし、麓にあった剗の海(せのうみ)を埋没。

この大噴火は約2年以上も続き、大和朝廷はその原因を占います。

その結果、この大災害は駿河國・浅間大社の祭祀怠慢との結果が出ました。

ご利益

そこで祭祀を篤くするために、甲斐國側にも浅間明神の祠を造ります。

鎮座地は甲斐國八代郡。さらに官社に列し、祝と祢宜も置き、大噴火を抑えこみます。

これが延喜式神名帳と共に、一ノ宮でもある名神大社・浅間神社の始まりなのです。

が、しかし…

喧嘩

名神大社の甲斐國八代郡ってどこやねん!

てな感じで、現在、八代郡にある名神大社がドコか分からなくなっているのです…

その為…

我こそは、名神大社!
いやいや、こっちが本家本元!
じーさんの記憶では…

あっちこっちの浅間神社が、我こそは~!と名乗りをあげるカオスな状況に…

その為、現在でも延喜式神名帳にある神社がドコなのか分かっていないのです…

石の神橋

現在、多くの研究者から有力視をされている浅間神社(浅間明神の祠)は…

一宮淺間神社:西八代郡市川三郷町
浅間神社  :笛吹市一宮町
河口淺間神社:南都留郡富士河口湖町

今回の一宮浅間神社も有力視をされ、かつ、鎮座地も延喜式神名帳と酷似する西八代郡

だけど…

境内からは富士山は全く見えない…
拝殿本殿も富士山を向いていない…

このことを考えると、この市川三郷町にある浅間神社は名神大社ではありません。

では、一宮浅間神社とは何なのでしょうか?

それは…

稲荷神社

太古より裏山を神体山とした素朴な信仰で、それが現在まで続いているご聖域なのです。

ただ、そこにあえて富士山を合祀しなければならないほどの大災害があった。

それほど富士山の大噴火は恐ろしいもので、それを現在まで伝えている。

これが一宮浅間神社の本質なのです。

一宮浅間神社のその後

鎮守の森

富士山大噴火後、朝廷から篤い崇敬を受け、一宮浅間神社の勢力は拡大。

明治初期に村社に列し、多くの神社が荒廃をする中、現在までその姿を残しています。

その背景には、決して名神大社でなくても、地元民の深い信仰があるからなのです。

名神大社・浅間神社シリーズ

一宮浅間神社(市川三郷町)

今回は市川三郷町にある浅間神社でしたが、次回は甲斐國一ノ宮浅間神社です。

ここが延喜式神名帳に載る名神大社なのか?

それとも、別の浅間神社が名神大社なのか?

お楽しみに~

一宮浅間神社の写真ギャラリー

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一宮浅間神社へのアクセス

一宮浅間神社(市川三郷町)

山梨県西八代郡市川三郷町高田3696

JR身延線・市川大門駅より徒歩12分