熱田神宮 草薙剣の正体

熱田神宮

熱田神宮(あつたじんぐう)は大都市である愛知県名古屋市に鎮座する神社です。

ご祭神は、あの『三種の神器』の1つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)

実在していたなんて驚きですよね~

さらに名神大社、旧官幣大社、尾張國三ノ宮の社格を与えられたスゴイ神社!

年始には『初えびす』と呼ばれるお祭りに、そのご利益を求めて多くの人で賑わいます。

そんな熱田神宮を今回も写真と共に、歴史、御朱印、アクセス、駐車場などをご紹介!

見どころ

熱田神宮の最寄り駅は、名鉄の神宮前駅か、JRの熱田駅。どちらも正門まで徒歩10分。

鳥居

鳥居が見えてきました。

真っ直ぐな柱と、真っ直ぐな梁。

伊勢神宮と同じ『伊勢鳥居』ですね~

参道&手水舎

鳥居の先には長い参道があります。

参道1

テクテクと長~い参道を歩き、

手水舎

手水舎でお手々を清めて、

参道2

さらに、長~い参道。

伊勢神宮や、明治神宮と雰囲気が似てます。

拝殿

熱田神宮

神明造りの拝殿が見えてきました。

熱田神宮は尾張造りの神社でしたが、明治に伊勢神宮と同じ神明造りに建て替えました。

なので、鳥居を含め、拝殿・本殿も、伊勢と同じ形状となっています。

本殿

本殿

伊勢神宮と同じ配列に建て替えられた本殿。

写真の手前から内玉垣、瑞垣、ご本殿です。

内玉垣、瑞垣、本殿

内玉垣(うちたまがき)とは、ご本殿を護る壁のことです。

瑞垣(みずかき)とは、最後の砦のこと。

その奥に、三種の神器『草薙剣』が鎮座するご本殿があります。

祈祷殿・長床

祈祷殿・長床

拝殿、本殿の左横には祈祷殿・長床があり、ご祈祷はここで行います。

この日はおめでたいことに結婚式!

末永くおしあわせに~

一之御前神社

女神

ご本殿の北西には一之御前神社があります。

一之御前(いちのみさき)とは、本殿に次ぐ尊い、という意味です。

尊い神社なので撮影は禁止です。

熱田神宮は撮影が出来ても、ここは禁止…

ということは…

むしろ、こっちの方がメインじゃないのか?と思ってしまいます。

別宮八剣宮

熱田神宮には、普通の神社並に大きい摂社が2社あります。

別宮八剣宮

1つ目は別宮八剣宮(はっけんぐう)

宝剣を新たに鋳造した際に創祀されました。

社殿も本殿も、熱田神宮と同じ造りであり、年中祭儀も、本殿同様に行われます。

武士からの信仰が篤く、織田信長、徳川綱吉らにより、社殿の修造造営が行われました。

上知我麻神社

上知我麻神社

2つ目の大きい摂社。

それが『初えびす』で知られる上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)。

大黒様の大国主社と、恵比寿様の事代主社がお祀りされています。

商売繁盛・家内安全を願う人々でにぎわい、正月の風物詩としても知られております。

上知我麻神社本殿

また、ご神託により子供に名前を一字決めて頂く特殊神事『名氏子』でも有名な当社。

神託文字を頂いた子供には『名氏子』として成育を感謝する名氏子祭が執り行われます。

摂社・末社・施設

熱田神宮は、まだまだ見どころ満載!

本当はすべてご紹介したいのですが…

あまりに多いので有名所をご紹介します。

南新宮社

まずは、南新宮社(みなみしんぐうしゃ)

境内唯一の丹塗りの社殿で、八坂神社と同じ素盞嗚尊をお祭りしています。

大楠(おおくす)

大楠(おおくす)

弘法大師が植えと伝えられ、樹齢は約千年になります。俗に七本楠と言われております。

土偶

土偶(どぐう)

な、なんでいるの?(笑)

南神池

南神池(みなみしんいけ)

境内には非常に美しい神の池があります。

また隣設する『清め茶屋』から眺める景観は大変素晴らしく、食事も楽しめます。

名古屋名物のきしめんを初めて食べました。うま~い♪

ひつまぶし

さらに、神社の周辺にはこれまた名古屋名物ひつまぶしのお店がたくさんあります!

うなぎの蒲焼をご飯と一緒に食べるも良し、お茶漬けとして食べても良し♪

ちなみに『ひまつぶし』ではありませんのでご注意を(笑)

熱田神宮に三種の神器はない

熱田神宮本殿

熱田神宮では『三種の神器』である草薙剣をご神体としています。

皇族、および、日本国民にとって最も大切なお宝の1つである刃剣がある『神の宮殿』。

だから、神社ではなく『神宮』なのです。

しか~し!

それは本当のことなのでしょうか?

日本武尊

日本武尊

草薙剣はかつて熱田…ではなく、鏡とともに伊勢神宮に鎮座していました。

しかし、ある時、天皇の子である日本武尊によって持ち出されます。

それも、無許可で…

日本武尊は勝手に持ち出した草薙剣を携え、東海道~関東地方を征伐。

病死

しかし、途中で病に伏せ、名古屋にいる恋人に草薙剣を預けたまま亡くなります。

そして、草薙剣は伊勢神宮に帰ることなく、令和現在でも名古屋に居続けています。

返されることのない剣

苦悩

熱田神宮にある『草薙剣』は、伊勢神宮から無断で持ち出されたものです。

なので、当然のことながら、尾張國の当主は草薙剣を返さなくてはなりません。

ところが、尾張國から返却するような行動はありません。

また、持ち出された天皇家も草薙剣を返せと要求したこともありません。

つまり…

熱田神宮にある草薙剣は、天皇家にとっては関係のないもの

と、言うことなのではないではしょうか?

伊勢と同格の資格なし

熱田神宮本殿2

熱田神宮は今でこそ神宮ですが、幕末までは熱田神社でした。

三種の神器が祭られているのに…神社…

これはいかん!ということで、神宮に格上げされ、明治には官幣大社まで登り詰めます。

さらには、伊勢神宮と同格扱いにする動きがありました…

認めない

が…明治天皇はそれを認めませんでした。

これは天皇自ら熱田に三種の神器はない、と言っているのと同じなのです。

形状も、素材も異なる剣

熱田本殿には、何層にも重なった箱があり、その中に草薙剣が鎮座しています。

その形状は、白銅で出来た真っ直ぐな剣

でも、古事記・日本書紀によれば、草薙剣は草を刈る鎌のような形をした鉄の剣です。

草薙剣

熱田の草薙剣 = 白銅製の直剣
天皇の草薙剣 = 鎌のような鉄剣

つまり、形状も、素材も、まったく別物の剣なのです。

えびす = 海の神

熱田神宮を代表する『初えびす

これは出雲地方の中核をなす『恵比寿さま』に関わるお祭りです。

渡来

そして、恵比寿は『海の神』であると同時に『海からやって来た神』でもあるのです。

では、どこからやって来たのでしょう?

恵比寿は高天原という『実在する大陸』からやって来た、かつて実在した人物。

それが恵比寿の正体です。

そして、恵比寿こそ『スサノオ』なのです。

ニギハヤヒの刃剣

ニギハヤヒ

尾張國とはスサノオの子のニギハヤヒの末裔が作った国です。

そして、ニギハヤヒの末裔は…

建国の王を、真清田神社(一ノ宮)
先祖の魂を、大縣神社(二ノ宮)
先祖の剣を、熱田神宮(三ノ宮)

に祭りました。

熱田神宮の剣は歴史的に一級品の宝刀です。

しかし、どんなに一級品の宝刀であっても、天皇家とは一切関係のないものです。

だから、名神大社、官幣大社、神宮の名誉を得ようとも、三ノ宮のままなのです。

ニギハヤヒの神威

名古屋地方は第二次世界大戦で空爆に遭い、焼け野原となってしまいました。

それから約70年…

名古屋

今や、東京を除いた、大阪市、横浜市に次ぐ第三の大都市にまで発展しました。

これは名古屋の人々のたゆまぬ努力と共に、ニギハヤヒの神威があるのかも知れません。

熱田神宮のまとめ

熱田神宮

広大な木々が生い茂る癒やしの楽園。

三種の神器はないけど、それに匹敵する神剣を祭る熱田神宮。

参拝後は美味しいきしめんと、ひつまぶし、小倉トーストに、手羽先に、味噌カツに…

そんな心も、お腹も満足出来る最高の聖地。

是非とも熱田神宮にご参拝下さいませ~!

名古屋シリーズ

名古屋周辺の神社をたくさん紹介していますので、ご興味あれば是非!

写真ギャラリー

↓クリックで拡大、左右で移動。

アクセス

熱田神宮

愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1ー1

名鉄の神宮前駅か、JRの熱田駅。
どちらも正門まで徒歩10分

駐車場

熱田神宮には400台分の駐車場があります。

公式駐車場は無料なので是非!